Webサイト『*Flappig Wings*』の編集記録を中心に・・・
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
理系人間のMiUさんには、職場の同僚からときどき、
理科ネタの質問をされることがあります。
今日質問されたのがコレ。
「北極の氷が溶けると本当に海面が上昇するのか」
ということ。
南極の氷は大陸の上に積み重なっているので、
溶けると当然海面上昇に繋がります。
ですが、海水に浮かんでいる氷が溶けても、海面上昇しないのではないか。
というものです。
はい。まず、適当にネット検索してみます。
すると、驚いたことに「海面は上昇しない」とする記事が上がっているんですよね。
で、最初は「あ〜・・・上昇しないのかもしれないですね。」
と思わず答えてしまったのですが、
記事をよく読んでいくと誤りがあることが分かりまして、
結論から言いますと、「上昇します」が正しいようです。
今日は、理知的にそれを記事にしますね。
まず、そもそも水になぜ氷が浮かぶのかということですが、
それは密度の違いが原因です。
水の密度は1g/mLですね。
・・・あ、国際基準でリットルは大文字のLを用いるようになりました。
私が小学生のときは筆記体のℓがリットルでしたが、
国際的にはあまり通用しないので、ミリリットルはmLと表記してますよ。
この密度の表示は、水小さじ1杯(1cc=1mL)が1gであるという意味になります。
対して氷の密度はというと、約0.9g/mLです。
氷小さじ1杯が0.9gということになります。
ここからどうして浮くのかを説明しようとすると、
アルキメデスの原理を使うのが最も手っ取り早いので用います。
『
流体(液体や気体)中にある物体は、
その場所に本来あった流体を押しのけて存在していると考えることができます。
その押しのけた流体に本来はたらくはずであった重力と同じ大きさの浮力がはたらく
』
というものです。
・・・原理とか出てきたら、読む気が無くなる人もいると思うので、
簡単に説明しちゃうと、
『大きな物体が水につかると大きな浮力が大きさに応じてはたらく。』
ってことです。(若干、語弊ありですが。)
氷が浮かぶ時というのは、氷にはたらく重力と浮力とがつり合うときなので、
次のように考えることができます。
9gの氷があったとすると、その体積は10mL(10cc)になりますね。(密度0.9g/mL)
そして浮力で9gの物体を支えようとすると、水中には9mL(9cc)浸かる必要があります。
もちろんこれ以上浸かれば浮力が勝って氷は上がっていきます。
すると、浮かぶ氷は、水面上に1mL(1cc)だけ頭を出して浮かぶことになります。
では、ここでこの10mL(10cc)の氷が溶けると体積はいくらになるでしょうか。
つまり水9gになるので、体積は9mL(9cc)になるのです。
なので、押しのけた体積9mL(9cc)分と一致するので、
空洞にすっぽり埋まって、水位は上昇しません。
あれ?上昇しないんじゃん。
と思いましたか?
ここまでで終わってしまうのがよくある間違いなのです。
物体が凝固(液体から固体に変化する)とき、混合物の場合、
多量に含まれる成分から凝固します。
要するに海水を凍らせると、真水(まみず)の氷が出来るんです。
これがポイントです。
つまり、北極の氷は、成分が水です。
そして「海水」に浮かんでいるのです。
「水」に浮かんでいるのではないのです。
さてここで海水の密度なのですが、溶けてるものが多いので、
仮に1.2g/mLとしておくことにします。
すると、9gの氷を浮かぶには、この氷はどれだけ海水を押しのければよいのでしょうか。
それは、7.5mL(7.5cc)ですね。(検算:1.2g/mL × 7.5mL = 9.0)
つまり、海水の場合、9gの氷は水面に2.5mLだけ出てることになります。
さて、この9gの氷が溶けるとどうなるか。
この氷は9mL(9cc)の水になるので、
押しのけた7.5mL(7.5cc)の空洞を埋めてもまだ余り、
1.5mL(1.5cc)分だけ増え、水位が上昇します。
具体的にどれだけ上昇するかは、その容器の表面積にも依りますが、このように上昇します。
ここまで読んで、9gの氷で1.5mL増えると聞いて、想像力豊かな人は、単位を1000倍にして、
9kgの氷が溶けると、1.5L増えると言う計算をしているのではないかと思います。
・・・ヤバいなぁ。と思っていただけました?
で、
ここでお詫びを入れます。
海水の密度ですが、
嘘です。
密 度 は、 ね。
実際の海水の密度は約1.02g/mLです。
計算を簡単にするためにちょっと大きく算出しました。
海水の密度を1.02g/mLにして計算し直すと、
9gの氷が溶けて、液体の増える体積は約0.18mLです
9kgの氷が溶けて増える液体の体積は1.5Lではなく180mLという訳です。
ペットボトルを想像してみるといいかもですね。
・・・10Lの氷が溶けると、200mL弱増える。
バスタブが約20Lなので・・・
北極の氷は何Lかな・・・
と想像いただいて分かると思いますが、
結構、体積が大きくなりますね。
そりゃ海面も上昇しますでしょうよ。
ということですね。
他の要素のほうがヤバいとか何とか言う人もいるようですが、
これ、別に温暖化に警鐘鳴らしてる記事じゃないからね。
Q.北極の氷が溶けると海面は上昇するの?
A.上昇する
これだけを示しましたよ。
理科ネタの質問をされることがあります。
今日質問されたのがコレ。
「北極の氷が溶けると本当に海面が上昇するのか」
ということ。
南極の氷は大陸の上に積み重なっているので、
溶けると当然海面上昇に繋がります。
ですが、海水に浮かんでいる氷が溶けても、海面上昇しないのではないか。
というものです。
はい。まず、適当にネット検索してみます。
すると、驚いたことに「海面は上昇しない」とする記事が上がっているんですよね。
で、最初は「あ〜・・・上昇しないのかもしれないですね。」
と思わず答えてしまったのですが、
記事をよく読んでいくと誤りがあることが分かりまして、
結論から言いますと、「上昇します」が正しいようです。
今日は、理知的にそれを記事にしますね。
まず、そもそも水になぜ氷が浮かぶのかということですが、
それは密度の違いが原因です。
水の密度は1g/mLですね。
・・・あ、国際基準でリットルは大文字のLを用いるようになりました。
私が小学生のときは筆記体のℓがリットルでしたが、
国際的にはあまり通用しないので、ミリリットルはmLと表記してますよ。
この密度の表示は、水小さじ1杯(1cc=1mL)が1gであるという意味になります。
対して氷の密度はというと、約0.9g/mLです。
氷小さじ1杯が0.9gということになります。
ここからどうして浮くのかを説明しようとすると、
アルキメデスの原理を使うのが最も手っ取り早いので用います。
『
流体(液体や気体)中にある物体は、
その場所に本来あった流体を押しのけて存在していると考えることができます。
その押しのけた流体に本来はたらくはずであった重力と同じ大きさの浮力がはたらく
』
というものです。
・・・原理とか出てきたら、読む気が無くなる人もいると思うので、
簡単に説明しちゃうと、
『大きな物体が水につかると大きな浮力が大きさに応じてはたらく。』
ってことです。(若干、語弊ありですが。)
氷が浮かぶ時というのは、氷にはたらく重力と浮力とがつり合うときなので、
次のように考えることができます。
9gの氷があったとすると、その体積は10mL(10cc)になりますね。(密度0.9g/mL)
そして浮力で9gの物体を支えようとすると、水中には9mL(9cc)浸かる必要があります。
もちろんこれ以上浸かれば浮力が勝って氷は上がっていきます。
すると、浮かぶ氷は、水面上に1mL(1cc)だけ頭を出して浮かぶことになります。
では、ここでこの10mL(10cc)の氷が溶けると体積はいくらになるでしょうか。
つまり水9gになるので、体積は9mL(9cc)になるのです。
なので、押しのけた体積9mL(9cc)分と一致するので、
空洞にすっぽり埋まって、水位は上昇しません。
あれ?上昇しないんじゃん。
と思いましたか?
ここまでで終わってしまうのがよくある間違いなのです。
物体が凝固(液体から固体に変化する)とき、混合物の場合、
多量に含まれる成分から凝固します。
要するに海水を凍らせると、真水(まみず)の氷が出来るんです。
これがポイントです。
つまり、北極の氷は、成分が水です。
そして「海水」に浮かんでいるのです。
「水」に浮かんでいるのではないのです。
さてここで海水の密度なのですが、溶けてるものが多いので、
仮に1.2g/mLとしておくことにします。
すると、9gの氷を浮かぶには、この氷はどれだけ海水を押しのければよいのでしょうか。
それは、7.5mL(7.5cc)ですね。(検算:1.2g/mL × 7.5mL = 9.0)
つまり、海水の場合、9gの氷は水面に2.5mLだけ出てることになります。
さて、この9gの氷が溶けるとどうなるか。
この氷は9mL(9cc)の水になるので、
押しのけた7.5mL(7.5cc)の空洞を埋めてもまだ余り、
1.5mL(1.5cc)分だけ増え、水位が上昇します。
具体的にどれだけ上昇するかは、その容器の表面積にも依りますが、このように上昇します。
ここまで読んで、9gの氷で1.5mL増えると聞いて、想像力豊かな人は、単位を1000倍にして、
9kgの氷が溶けると、1.5L増えると言う計算をしているのではないかと思います。
・・・ヤバいなぁ。と思っていただけました?
で、
ここでお詫びを入れます。
海水の密度ですが、
嘘です。
密 度 は、 ね。
実際の海水の密度は約1.02g/mLです。
計算を簡単にするためにちょっと大きく算出しました。
海水の密度を1.02g/mLにして計算し直すと、
9gの氷が溶けて、液体の増える体積は約0.18mLです
9kgの氷が溶けて増える液体の体積は1.5Lではなく180mLという訳です。
ペットボトルを想像してみるといいかもですね。
・・・10Lの氷が溶けると、200mL弱増える。
バスタブが約20Lなので・・・
北極の氷は何Lかな・・・
と想像いただいて分かると思いますが、
結構、体積が大きくなりますね。
そりゃ海面も上昇しますでしょうよ。
ということですね。
他の要素のほうがヤバいとか何とか言う人もいるようですが、
これ、別に温暖化に警鐘鳴らしてる記事じゃないからね。
Q.北極の氷が溶けると海面は上昇するの?
A.上昇する
これだけを示しましたよ。
PR
この記事にコメントする